特集 薬学・薬剤師教育における現在の課題と将来への展望
7.病める患者に寄り添う心と知識,技術を育む薬学教育
賀勢泰子
1
1医療法人久仁会 鳴門山上病院・診療協力部長
pp.1067-1072
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201704103
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今,日本が直面している少子高齢社会を支えるために,地域医療改革,医療と介護の融合と地域包括ケアシステムの構築が進められている。入院医療から在宅医療へシフトする社会では,「治し,帰す医療」から,「寄り添い支える医療」への転換が求められる。患者の傍にあり,心に寄り添いながら安全で効果的な薬物療法を支え,QOL(quality of life)向上に寄与することが最終目標となるであろう。薬学的ケアの知識と技術,患者に寄り添う心を兼ね備え,多職種連携の下,何より患者本人やその家族も含めて想いをともに歩むことのできる薬剤師の育成が重要であると考える。疾患別の臨床教育に加え,高齢者や小児,障害者等も含め,保健医療福祉全体を見渡せる教育システムが必要であろう。