特集 薬学・薬剤師教育における現在の課題と将来への展望
8.開局薬剤師の立場から~街の薬局薬剤師が考えたこと~
宮﨑長一郎
1
1有限会社 宮﨑薬局・代表取締役/一般社団法人 長崎県薬剤師会・会長
pp.1073-1078
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201704109
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医薬分業が進展した現在の状況を,筆者の経営する個人薬局において1980年代と比較したところ,薬局の売り上げに占める保険調剤と一般販売の比率が,かつての1:9から9:1へと変化しており,「薬局の医療化」という現実を示した。その上で「患者のための薬局ビジョン」に関しては,古くからの主張が取り上げられている点を指摘し,かかりつけ薬局になるためには幅広い医療薬学の知識が必要であり,現在の薬学教育はある程度対応できているとの見解を示した。しかし,薬局におけるエビデンスの構築が成されていない状況を改善するために,薬剤師教育における日常業務の調査研究を学生時代から取り組むことを提案した。また,薬剤師の職業倫理についても薬学教育で醸成するように求めた。