特集 薬学・薬剤師教育における現在の課題と将来への展望
5.高度急性期機能を有する大学病院における薬学・薬剤師教育~特に地域における役割~
寺田智祐
1
1滋賀医科大学教授・医学部附属病院薬剤部長
pp.1055-1060
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201704091
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
医療が「病院完結型」から「地域完結型」へと徐々に移行していく中,各病院の機能が明らかになりつつある。高度急性期機能を有する大学病院では,患者の年齢層は幅広く,その治療は短期間で濃厚である。従って,薬学生や薬剤師へは,その特性に応じた実習・研修が提供されなければならない。一方で,大学病院は,地域における質の高い薬剤師養成への貢献も期待されている。すなわち,薬剤師の連携強化や継続的な啓発活動において,リーダーシップを発揮する必要がある。高度急性期医療と地域医療,両シーンにおける教育は少し軸足が異なるものの,薬剤師としてのプロ意識を育み・根付かせるという観点の本質は同じである。今後ますます大学病院の薬剤師は,次世代の薬剤師教育を担う責務が重くなっていくであろう。