医薬ジャーナル論壇
表面からコアへ
政田幹夫
1
1大阪薬科大学学長/福井大学名誉教授
pp.991-993
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201704027
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社会(国)の成熟度を推し量る指標に,福祉・医療や教育の充実がある。日本は,医療へのアクセスが世界でもトップレベルであり,また義務教育は世界に誇る充実した制度である。しかしながら,世界の大学ランキングでは,東京大学が34位,京都大学は37位と低迷している。さらに世界トップの長寿を誇りながら,世界幸福度ランキングは157カ国中53位(2016年)に位置づけられており,福祉の面でも世界的な評価は低い。これらの原因はどこにあるのか,今,真剣に考えないと取り返しのつかないことになりかねない。薬学教育も,改訂コアカリキュラムに従って学習している学生が3年生になり,本格的に専門科目を履修する。カリキュラムが変わっても教育の中身が変わらなければ,成果は期待できない。目標達成のためには,基盤から立て直すことが求められる。