連載 クリニカル・パスと薬剤師(67)計画と実践のノウ・ハウ
肺炎クリニカルパスと抗菌薬適正使用への薬剤師の関わり
伊藤真也
1
,
山本英治
1
,
下條隆
2
1羽島市民病院薬剤部
2羽島市民病院 循環器内科・部長
pp.695-700
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201702135
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羽島市民病院では,肺炎患者の治療開始時における抗菌薬適正使用および医師の診療を補助する目的で,肺炎クリニカルパスを作成し,運用のサポートを行っている。今回,運用開始から2年が経過し,肺炎クリニカルパスの実施が抗菌薬適正使用にどのような影響を及ぼしているかを検討した。肺炎クリニカルパス適用群では,肺炎の重症度(A-DROP)の評価および入院時喀痰培養が全例に実施され,日本呼吸器学会ガイドラインが推奨する耐性菌リスクを考慮した初期投与抗菌薬選択が適正に行われていた。
一方で,特定の医師において,肺炎クリニカルパスの使用率が低値であったことから,今後,肺炎クリニカルパスを活用した根拠ある抗菌薬の適正使用に関する情報提供を行い,普及率の向上を図りたい。