連載 薬剤師による処方設計(52)
心不全患者の予後を改善する薬剤師の取り組み
梶間勇樹
1
,
高井靖
2
1医療法人 三重ハートセンター薬局
2医療法人 三重ハートセンター薬局 薬局長
pp.137-141
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201701137
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
超高齢社会を迎えた今日,心不全患者数は増加の一途をたどっている。心不全患者の増悪による再入院の要因として,塩分・水分制限の不徹底や治療薬服用の不徹底が上位にあげられる。これらの課題に対して,患者ごとの要因を考慮して介入する必要がある。薬剤師として,服薬アドヒアランスの不良は再入院にもつながるため,早期の介入が必要である。また,多剤投与は心不全治療に重要な影響を与える。それ故,適切な処方であるかどうかを吟味し,投与量だけでなく,不要と思われる薬剤の中止を提案することも求められる。さらに,院内の疾病管理プログラムの運用には,チームでの情報共有が不可欠である。今後は院内だけでなく,地域の多職種との情報共有化のシステムを構築しなければならない。