第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
睡眠薬
堀田彰悟
1
,
山田清文
2
1名古屋大学医学部附属病院薬剤部
2名古屋大学医学部附属病院薬剤部 教授/薬剤部長
pp.456-461
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613456
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神経ペプチドであるオレキシンをターゲットとした,新規作用機序を有するスボレキサントが2014年に上市され,不眠症治療における薬物療法の選択肢が広がった。現在も不眠症に対する薬物療法として,ベンゾジアゼピン(BZ)受容体を介してγ-アミノ酪酸(GABA)神経伝達を促進するBZ系および非BZ系睡眠薬が主流であるが,長期使用による依存性および耐性から引き起こされる多剤併用大量処方が社会問題になっている。一方,BZ系および非BZ系睡眠薬とは異なる作用機序を有するメラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬は,依存性や退薬症状が少なく,安全性に優れた睡眠薬として注目されている。本稿では,これらのメラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬の最新のエビデンス,および今後発売が期待される睡眠薬の開発状況を解説する。