連載 在宅で必要なクスリの知識と服薬のコツ・9
睡眠薬
藤澤 節子
1
1ひまわり薬局
pp.994-996
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901440
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高齢者の睡眠の特徴
敬老の日,日本一の長寿といわれる115歳の超高齢女性がテレビに映っておりました。2日間寝て,2日間起きるという生活リズムのなかで,そのテレビ取材の日は,眠りの間で,周りがどんなに騒いでいても,彼女は安らかな寝顔をして,眠っていました。長時間眠らずにいると,判断力,思考力が鈍り,ついには幻覚,幻聴まで現れます。睡眠もとらずにまともな行動ができるのはせいぜい48時間程度といわれています。不眠とは睡眠不足のために日常生活に支障をきたして,本人が不都合を感じる主観的な症状です。ですから,長寿の彼女の睡眠のリズムは,生活のリズムが違うだけで不眠とはいえないことになります。
いろいろな原因で,睡眠薬を服用しなければ,眠りにつくことのできない高齢者がいます。在宅で療養している場合は,本人の生活リズムと介護者の生活リズムの,相互のかかわり合いを考えて,1日のスケジュールをたてることになります。睡眠薬を服用している方の中に,薬を服用することに罪悪感をもっている方,反対に睡眠薬なしでは眠りにつくことができず,必要以上に薬を服用してしまう方がいます。
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