糖尿病とがん
7.SGLT2阻害薬と発がんリスク
阿武孝敏
2
,
加来浩平
2
2川崎医科大学・特任教授
pp.91-97
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901091
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発売後5年が過ぎようとするSGLT2(sodium-glucose cotransporter 2)阻害薬のさまざまなデータが蓄積されている。SGLT2阻害薬の有効性は大規模臨床試験でも証明されているが,長期にわたる投与により生じ得る発がん性などのリスク増加の報告はない。注目された膀胱がんなどの可能性も,現時点では払拭されたと言って良い。むしろ近年はSGLT2阻害薬の抗がん作用に期待する向きがある。SGLT2阻害薬は適応を見極めて使用すれば有用であることは間違いなく,発がんリスクへの懸念は本薬の臓器保護効果といった高い有用性を脅かすものでは全くないと言える。