第 I 部 創薬と育薬
1.創薬 2)Patient Reported Outcome(PRO)と新薬開発 ~PROのHTAでの役割は?~
五十嵐中
1
1東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学・特任准教授
pp.226-230
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613226
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患者の主観を重視した効果指標・患者報告アウトカム(PRO)は,承認時のみならず公的医療制度での給付の可否や給付価格の判定の場,すなわち狭義のHTAの場でも重要な役割を果たす。 介入の生命予後への影響と,生活の質(QOL)への影響の双方を評価できるアウトカム指標である質調整生存年(QALY)が,疾患横断的に利用できる指標として,多くの国のHTA(Health Technology Assessment)機関で中心的に活用されている。 完全な健康を1,死亡を0とするQOL値を測定する簡便な質問票であるEQ-5D-5Lの 日本語版と,日本での研究をもとにしたQOL値への換算表(タリフ)が開発済みで,2016年4月から日本でも試行導入されるHTAでの活用が期待される。