医薬ジャーナル論壇
世界に挑む日本の医療−研究・産業・教育のグローバル化−
佐々木均
1
1長崎大学病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.2627-2629
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612027
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
医療・健康産業はわが国の成長戦略の一つとして期待され,日々グローバル化が進んでいる。先の大隅氏のノーベル医学・生理学賞受賞で日本の基礎研究の強さが示されたが,臨床研究は世界から後れを取っており,国際標準の臨床研究を目標に活性化と規制が強化されている。新薬開発を推進し国民医療を守るため,日本の複雑な薬価設定を見直す必要もある。一方,日本の医療機器開発や医療サービスの世界展開の試みが急速に進んでいる。また現在,医学教育が国際基準に準拠した,長期の診療参加型臨床実習を主体にした教育へと転換している。医療産業の国際化や医学教育の国際化は,薬剤師の臨床研究業務や薬物療法への責任を大きくする。医学教育・医師養成に対応した薬学教育・薬剤師養成を推進する必要がある。