特集 Onco-nephrology ~腫瘍学と腎臓病学の融合~
2.腎不全とがんの疫学
尾関貴哉
1
,
安田宜成
2
1名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科学
2名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科学 循環器・腎臓・糖尿病(CKD)先進診療システム学寄附講座・准教授
pp.2053-2061
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201609059
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
急性腎障害(AKI)や慢性腎臓病(CKD)とがんとの関連が示されている。担がん患者がAKIやCKDを合併した場合は,治療計画に影響を与えるだけでなく,患者の生命予後にも関連すると報告されている。がん患者におけるAKI合併には,がん患者に特異的あるいは非特異的な原因があるため,各原因に応じた治療が重要である。CKDとがんについては,保存期腎不全,透析患者,腎移植後患者のおのおのでがんの発生率や好発部位に特性があり,リスクの高いがんに対する適切なスクリーニング検査が行われるべきであるが,未だ具体的な方法は確立されていないのが現状である。