今月の臨床 女性の泌尿器疾患—最新情報
泌尿器疾患合併妊娠
2.腎不全合併妊娠
安達 知子
1
,
新井 理水
1
1東京女子医科大学産婦人科
pp.1215-1217
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904161
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はじめに
慢性腎不全患者は,一般的に,腎機能低下の進行に伴い月経不順や無月経など卵巣機能不全の状態となり,妊娠率も低下してくることが多い.また,妊娠した場合でも,母体と胎児の両者にとってリスクの高いものとなり,腎機能障害が強いほど流早産,子宮内胎児発育遅延,子宮内胎児死亡や妊娠中毒症などが発症しやすいといわれている.さらに妊娠中や妊娠終了後に腎機能の悪化や高血圧の増悪がみられやすいことが知られている.したがって,患者と家族への十分なインフォームドコンセントと,妊娠中の厳重な管理が必要となる.
ここでは,稀な急性腎不全合併妊娠は省略し,慢性腎不全合併妊娠を保存期慢性腎不全(透析導入前)と透析中に分けて,その管理を中心に述べる.
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