特集 薬剤疫学 ~医療ビッグデータの利活用~
2.病院情報データベースを用いた有害事象発現頻度の比較
堀雄史
1
1浜松医科大学医学部附属病院薬剤部・副薬剤部長
pp.1857-1859
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201608065
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欧米では,フルオロキノロン(FQs)の副作用として腱炎および腱断裂が注意喚起されているが,日本においては発現頻度が明らかにされていない。そこで浜松医科大学医学部附属病院のデータベースを用いてFQsによる腱障害の発現頻度を計測し,そのリスクをセファロスポリン系抗菌薬投与患者と比較した。1996年から2009年において,すべての入院および外来患者で14例に腱障害が発現した。(0.082% , 95%信頼区間:0.049~0.137)。FQs処方患者の腱障害発現頻度はセファロスポリン系抗菌薬処方患者(0.013%, 95%信頼区間:0.006~0.030)に比較して有意に高いことが明らかになった。