連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(106)
薬剤師の病棟業務が生み出す効果~情報の非対称性をなくすために~
村山暢子
1
1NTT東日本関東病院薬剤部
pp.1731-1738
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201607141
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平成24年(2012年)度診療報酬改定において,薬剤師が病棟で行う,薬物療法の有効性,安全性の向上に資する業務(病棟薬剤業務)が評価され,入院基本料の加算として病棟薬剤業務実施加算が新設された。 病棟薬剤業務は主に投薬前における患者に対する業務,医薬品の情報および管理に関する業務,医療スタッフとのコミュニケーション等である。その内容は,①患者背景および持参薬の確認とその評価に基づく処方設計と提案,②患者状況の把握と処方提案,③医薬品の情報収集と医師への情報提供等,④薬剤に関する相談体制の整備,⑤副作用等による健康被害が発生した時の対応,⑥多職種との連携,⑦抗がん薬等の適切な無菌調製,⑧当該医療機関および当該病棟における医薬品の投与・注射状況の把握,⑨当該病棟における医薬品の適正な保管・管理,⑩当該病棟に係る業務日誌の作成等である。本稿では,病棟薬剤業務を通じて得られた事例について報告する。