今月の表紙
前庭部の対称性潰瘍
白壁 彦夫
1
1順大内科
pp.631
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202680
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二重造影像では,ふつうは,後壁病変だけしか出ないが,空気量をうまく調節すると,前壁病変も出せることがある.空気量が多すぎると,胃壁が伸展しすぎて,病変がまったく出なくなるので注意しなくてはならない.
前庭部の対称性潰瘍は,X線像でも,また,特に内視鏡的には,悪性に見えるものである.前壁,後壁のどちらか1つをみつけたのでは,てっきり悪性だと診断してしまう.両方をみつけて,ああ対称性潰瘍だな,と気がつけば,対称性だということで良性だと決めることになる.はじめての経験例のときには,まごつくものである.本例はUI-IIの瘢痕である.
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