特集1 超高齢社会における適正薬物療法の特質 ~ガイドラインの今日的役割と薬剤師の責務~
5.高齢者の循環器疾患の薬物療法
竹屋泰
1
,
楽木宏実
2
1大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学
2大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学 教授
pp.1459-1464
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061459
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高齢者の薬物有害事象は重症化することが多い。循環器疾患の薬物療法においてもこの特徴は当てはまり,まずは多剤併用を回避するような処方態度を心がけることが大切である。循環器疾患において特に慎重な投与を要する薬物として,不整脈に対するジゴキシン,非選択的β遮断薬,抗血栓薬の抗血小板薬,心不全に対するジゴキシン,利尿薬,非選択的β遮断薬,チアゾリジン薬,高血圧に対する受容体サブタイプ非選択的α1受容体遮断薬,利尿薬,非選択的β遮断薬がある。 また開始を考慮するべき薬物として,心不全に対するACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬,高血圧に対するACE阻害薬などがあげられる。