特集1 超高齢社会における適正薬物療法の特質 ~ガイドラインの今日的役割と薬剤師の責務~
3.高齢者の呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患および肺炎)の薬物療法~「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」を考慮して~
大類孝
1
1東北大学加齢医学研究所高齢者薬物治療開発寄附研究部門・教授
pp.1447-1453
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061447
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)ならびに肺炎は,加齢とともに罹患率および死亡率が上昇し,超高齢社会が進むわが国で今後ますます問題となる疾患である。COPDの治療においては薬物療法が中心となり,かつ長期にわたるため,高齢者の特性を踏まえた戦略が重要である。肺炎の治療においては抗菌薬投与が中心になるが,高齢者では腎機能障害から薬物の血中濃度が上昇しやすく,副作用の発現に注意する。また,高齢者の肺炎の発症には免疫能の低下の他に誤嚥の関与が大きく,誤嚥予防策が重要である。