特集 薬剤師に必須となる検査値の理解 ~医師からのアドバイスと知っておくべきポイント~
9.腫瘍マーカーの読み方
宮下淳
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1福島県立医科大学白河総合診療アカデミー・講師/白河厚生総合病院総合診療科・科長
pp.1297-1301
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201605115
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癌などの腫瘍細胞によって産生される物質である腫瘍マーカーは,悪性腫瘍の診断の一助となるが,使用には注意が必要である。腫瘍マーカーを使用する際には,他の検査と同様に検査の特性(感度や特異度)を考慮に入れなければならない。健康診断や人間ドッグにおいて腫瘍マーカーを検査項目として加えることはあるが,検査特性や悪性腫瘍の性質を考えて,検査をすることによって患者へどのような利益と害があるのかを考慮する必要がある。 本稿では,代表的な腫瘍マーカーを例にあげ,スクリーニング検査として腫瘍マーカーを用いる際の功罪を述べ,また各腫瘍マーカーの適切な使用方法について述べていく。