今月の臨床 婦人科外来
外来診察と検査
14.腫瘍マーカー
落合 和徳
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.452-457
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903605
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●はじめに
腫瘍マーカーとは,癌細胞自身,または癌に反応して他の生体細胞が作る物質で,それを生体由来の試料内に検出することができるもので1),癌のスクリーニング,腫瘍の良・悪性の鑑別,癌の治療効果の判定,follow upにおける再発の発見に用いられている(表1).
モノクローナル抗体作製法の開発により,腫瘍マーカーに関する研究が急速な進歩を遂げ,種々の腫瘍マーカーが開発されてきた.しかしいまだに悪性細胞に特異的な腫瘍抗原を見いだすには至らず,現在のところは複数項目の腫瘍マーカーを組み合わせた,いわゆるコンビネーションアッセイ法で成績の向上を図っているのが現状である.
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