特集 薬剤師に必須となる検査値の理解 ~医師からのアドバイスと知っておくべきポイント~
4.肝・胆道系酵素検査の読み方
末松篤樹
1
1名古屋第二赤十字病院総合内科
pp.1269-1273
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201605087
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肝・胆道系酵素検査の異常は,外来患者や入院患者でよく見られる。薬剤性肝障害も多いため,医師だけでなく薬剤師もその読み方を知ることは重要である。肝・胆道系酵素検査異常を見たら,肝細胞型の肝機能障害,胆汁うっ滞型の肝機能障害,肝疾患以外の原因の3つに分けて考える。 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT),アルカリホスファターゼ(ALP),γグルタミルトランスフェラーゼ(γGTP),総ビリルビン(T-Bil),プロトロンビン時間(PT),アルブミン(Alb)のうち,複数が繰り返し異常を示す場合は,肝疾患が存在する可能性が高い。一方,これらの検査がすべて正常であれば,肝疾患を見逃す可能性は低い。