特集 認知症 ~病態と治療~
9.認知症の早期診断・治療を支える社会制度
新美芳樹
1
1厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室・認知症対策専門官
pp.885-889
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201603885
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認知症は加齢に伴いその発症リスクが増大するため,かつてない超高齢社会を迎えている日本にとって大きな問題となっている。今後は中・低所得国の高齢化も加速すると見られ,認知症の人の増加は世界的にも重要な課題となってくる。認知症に対しては,社会を挙げた取り組みとして対応することが重要であり,わが国は課題解決先進国として,そのモデルを示すことが望まれている。この観点から平成27年(2015年)1月に策定された,いわゆる新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~)を概説しつつ,その重要な柱である早期診断・早期対応について述べる。