特集 認知症 ~病態と治療~
2.タウ・αシヌクレインの蓄積
野中隆
1
,
長谷川成人
2
1東京都医学総合研究所・認知症プロジェクト 副参事研究員
2東京都医学総合研究所・認知症プロジェクト 参事研究員
pp.843-847
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201603843
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神経変性疾患における異常病変の広がりに関して,プリオン様伝播仮説という新たな考え方が提唱されている。それは,多くの患者脳に認められる異常タンパク質凝集体が,異常プリオンタンパク質のように細胞から細胞へと伝播し,伝播した先の細胞内でシードとして機能し,本来なら凝集することのない正常タンパク質を凝集させることにより異常病変が広がるという仮説である。最近,この新たな考え方を支持するような研究成果が相次いで報告されており,広く受け入れられつつある。