小特集 治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の治療戦略
1.治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の実際 2)治療抵抗性高血圧および コントロール不良高血圧の要因と対策
中村卓人
1
,
大屋祐輔
2
1琉球大学医学部医学研究科循環器・腎臓・神経内科学講座
2琉球大学医学部医学研究科循環器・腎臓・神経内科学講座 教授
pp.687-693
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201602687
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治療抵抗性あるいはコントロール不良高血圧は,その要因を考慮し,適切な対策をとることが重要である。要因としては,血圧の測定上の問題,降圧薬,生活習慣,併用薬剤,二次性高血圧があげられる。対策として標準化された血圧測定法に準拠し,家庭血圧やABPM(24時間自由行動下血圧測定)も活用する。医療者,患者双方の高血圧治療に対する知識や経験の共有を行い,意欲を高める。日本人では食塩摂取量が多いため,利尿薬を適切に使う。減塩,運動,節酒,減量といった生活習慣の改善を行う。併用薬剤を確認し,血圧を上げる薬剤や相互作用により血圧を上げる薬剤は可能なら減量する。若年や急激な高血圧発症,原因が不明の治療抵抗性高血圧では二次性高血圧を疑う。原発性アルドステロン症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群は頻度が高いので,特に注意を要する。