特集 ウイルス感染症との新たな戦い ~グローバル化する 脅威の克服を目指して~
7.重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
鍬田龍星
1
,
前田健
2
1山口大学共同獣医学部獣医微生物学教室
2山口大学共同獣医学部獣医微生物学教室 教授
pp.2587-2593
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201511099
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重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)は,SFTSウイルスの感染によって引き起こされる感染症で,最も特徴的な点は致死率が非常に高いことである。症状として,高熱,血小板・白血球減少,リンパ節腫大,多臓器不全などがあげられ,重篤な場合は発症から約10日で死に至る。これまでの調査研究から,SFTSウイルスは,野外に生息するマダニの吸血によってヒトや動物に媒介されると考えられている。2012年末にSFTSウイルスを最初に発見して以降,これまでの調査・研究で明らかになったSFTSウイルスの感染環や蔓延状況などについて概説する。