医薬ジャーナル論壇
在宅栄養療法における薬剤師の使命 ―薬薬連携を軸に地域連携NSTを構築―
前田健一郎
1
1本誌編集部
pp.2519-2521
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201511031
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超高齢社会を迎えつつあるわが国で,医療の最前線は,病院から地域へと大きく広がり始めている。増加の一途を辿る高齢患者に対し,医療費削減とともに,病院の受け入れ能力の限界も見据え,患者居宅での医療・介護体制の充実が急がれているのである。現在,国は在宅医療の新たな枠組みとして,地域包括ケアシステムを整備しているが,その際に鍵を握るのが,高齢患者の栄養状態の維持・改善である。栄養状態の良否は,治療予後をも左右することが知られ,従来の病院完結型医療においては,院内の栄養サポートチーム(NST)が管掌してきた。医療が在宅へと拡大する中,地域医療における栄養ケアの重要性も増しており,先進的な地域では,既に「地域連携栄養サポートチーム」が稼働し始めている。薬剤師は,この地域医療圏での栄養サポート体制の構築を,薬薬連携により支える使命を帯びている。