メディカルトレンド 学会・ニュース・トピックス
第21回国際個別化医療学会学術集会 大会テーマ「個別化医療の新時代 ~深化するパーソナライズド・メディシン~」
pp.2522-2529
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201511034
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第21回国際個別化医療学会学術集会が10月17日,大阪市内のグランフロント大阪で開催された。大会テーマは「個別化医療の新時代~深化するパーソナライズド・メディシン~」,会頭は大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授・森下竜一氏。米国オバマ大統領は2015年1月,一般教書演説で「個別化医療イニシアティブ(Precision Medicine Initiative)」への取り組みに対し,2016年予算で2億1,500万ドルを投資すると明らかにした。同イニシアティブは,健康の増進と病気の治療に革命をもたらす,新規の大胆な研究戦略と位置づけられており,国をあげて個別化医療を推進することが示されている。わが国でも,2015年4月の第29回日本医学会総会では,「先制医療」に関する議論が活発に行われたほか,同月に発足した日本医療研究開発機構(AMED)も,遺伝子治療への取り組みに注力するなど,個別化医療への関心が内外ともに高まっている。個別化医療の推進にあたっては,基礎研究者と臨床家の連携だけでなく,研究・診療領域を超えたグローバルなパートナーシップ構築が必要であり,そういった連携・交流の場を提供する本学会への期待は大きい。学術集会では,実際の治療実績を紹介するプラクティカルセッションで「がん」が取り上げられ,血管内治療(カテーテル治療;IVR)による癌の個別化医療や,WT1(Wilm’s Tumor gene 1)ペプチドワクチンを用いた免疫療法の現状など,最新の知見が報告された。