連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART Ⅰ.院内製剤(75)
小児薬物療法における バルガンシクロビル錠 調剤方法の検討
齊藤順平
1
,
石川洋一
2
1国立成育医療研究センター薬剤部
2国立成育医療研究センター薬剤部 薬剤部長
pp.2427-2434
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510177
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小児薬物療法において投与に適した剤形がない場合,用量調節・服用性改善を目的に錠剤を粉砕し散剤として,または水に崩壊させ水剤として調剤する。バルガンシクロビル塩酸塩(VGCV:バリキサ®)錠は細胞毒性を有し,調剤者と施薬者への曝露が問題となることから,国立成育医療研究センター(当院)では水に崩壊させ懸濁液としているが,長期安定性や服用性を考慮した簡便な調剤方法に関する情報は限られている。 本稿では,当院における調製方法を紹介するとともに,精製水と希塩酸水溶液で調製した懸濁液の,成分安定性を検討した結果を示す。VGCVは精製水で5~7日間,希塩酸水溶液で14日間,90%以上残存していた。服用性と調剤の簡便性を考慮し,単シロップと希塩酸またはクエン酸を用いた検討では,14日間,90%以上の安定性が示された。