連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART I.院内製剤(81)
タクロリムス0.1mg希釈散製剤の効率的な調製方法の確立
齊藤順平
1
,
石原里美
1
,
今泉仁美
1
,
石川洋一
2
1国立研究開発法人 国立成育医療研究センター薬剤部
2国立研究開発法人 国立成育医療研究センター薬剤部 薬剤部長
pp.2730-2738
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612130
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免疫抑制剤プログラフⓇは,難溶性物質タクロリムスを非晶質固体分散体にすることで,水 溶性を高めた製剤である。小児における免疫抑制療法では,0.1mg単位で用量調節を行う ことがあるが,最小規格は0.2mg顆粒製剤であることから,我々は結晶乳糖と混合した院 内製剤(0.1mg)を作製している。固体分散体は混合条件によっては損壊し,溶出性が維持 できないため,スパーテルによる混合を行っていたが,均一性が確保されているか不明であ り,また混合には長時間を要していた。今回均一で溶出性が確保された効率の良い作製方法 を検討し,「自転公転攪拌機による混合」で,1,000rpm1分間を2回と転倒混和を行うこと で,均一かつ溶出性と性状を保ちつつ,人為的な因子を最小限にした製剤を作製することが できた。