特集 創刊50周年記念特集 医薬品開発における産官学連携の展望
2.各論 2)京都大学の取り組み ~組織的産学連携による メディカルイノベーション~
早乙女周子
1
,
寺西豊
2
,
成宮周
3
1京都大学大学院医学研究科 次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点(AKプロジェクト)/知的財産経営学分 野・特定准教授
2京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーション推進室長/特任教授
3京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーションセンター長/次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点 (AKプロジェクト)・拠点執行責任者/特任教授
pp.2339-2344
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201510089
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オープンイノベーションにおける橋渡し役であるバイオベンチャーが少ない日本では,大学と製薬企業が直接連携して創薬に繋げていく必要がある。京都大学では,2010年にメディカルイノベーションセンター(MIC)を設立し,疾病分野ごとに製薬企業と京都大学が一対一で包括的組織連携を行うことで,革新的医薬品の創出に取り組んでいる。2015年現在,武田薬品工業株式会社,大日本住友製薬株式会社,田辺三菱製薬株式会社,塩野義製薬株式会社との4つの連携プロジェクトが推進されている。連携のモデルは,2007年より行っているアステラス製薬株式会社とのプロジェクトである「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」であり,MICの各プロジェクトはequal partnershipに基づく委員会組織,オープンイノベーション・ラボでの共同研究体制,プロジェクト専属の知財マネジメント体制を構築している。