特集 社会的責任(CSR)が問われる病院
東京慈恵会医科大学におけるHSR活動の取り組み
北 嘉昭
1
1東京慈恵会医科大学
pp.490-493
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100027
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昨今,医療事故に関する記事がマスコミで大きく取り上げられるようになった.東京慈恵会医科大学附属青戸病院において,2002年11月8日に起こった医療事故も社会に大きな波紋を投げかけた.この医療事故を教訓に,医療の安全と質を向上させ,社会に向けても責任ある対応をすべく2004年4月から,医療安全管理室の強化とともに医療広報室が設置され,筆者が外科と兼任(医療安全委員,病院広報委員,医療連携委員,ボランティア委員も兼任)で赴任した.なお,医療広報室は医療安全管理室などと同様に病院長の直属の組織である.本稿では,このようないくつかの委員会のメンバーとして筆者がかかわっている病院の社会的責任(HSR : Hospital Social Responsibility) の取り組みについて,私見も交えて報告したい.
■院内ガイドライン
最近,医療事故が「業務過失致死」として警察に告訴される例が全国で増えている.そこで,医療安全管理室が中心となり,法医学教室,顧問弁護士の意見もいただき「愛宕警察署への異状死の届出ガイドライン」(2004年11月1日東京慈恵会医科大学本院医療安全管理室作成)」「東京慈恵会医科大学附属4病院医療事故等公表基準(2004年9月1日制定)」などの策定を行った(図1,表1).このような院内ガイドラインは現場での混乱を避けるため今後益々重要になると思われる.その他,病院を挙げてのシステム整備の結果,(財)病院機能評価機構の認定も2005年2月22日には交付されることになった.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.