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製薬協メディアフォーラム 超高齢社会におけるビッグデータ活用 医療情報の“共有地(コモンズ)”も視野
pp.2070-2077
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201509026
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日本製薬工業協会(製薬協)は8月18日,都内でメディアフォーラム「医療におけるビッグデータ:今後の展望と活用」を開催した。近年,ビッグデータという概念が社会的に広がり,ビジネス領域を中心にさまざまな利用が進んでいる。医療分野でも,大規模データベースの構築を皮切りに,電子カルテやDPC(診断群分類包括評価)データなどの医学研究への応用が目指されており,臨床現場で日々蓄積される巨大な医療データを,有効に活用する方法が模索されている。特に,世界有数の超高齢社会を迎えたわが国では,国民皆保険制度により一元的に集約された大量の医療データを,如何に国民福祉の向上に役立てるかが重要な政策課題となっている。メディアフォーラムで講演した中山健夫氏(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授)は,医療情報を社会の共有財産と考える「共有地(コモンズ:Commons)」という概念を紹介。社会全体にとって有用な情報環境は何かを,関係者間で議論する必要があると提唱した。以下は,当日の講演要旨である。(文責編集部)。