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第37回日本中毒学会総会・学術集会 大会テーマ「今まさに正しい中毒医療が 求められている~紀の国からの発信~」
pp.30-36
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201508030
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第37回日本中毒学会総会・学術集会が7月17~18日,和歌山市内の和歌山県民文化会館で開催された。大会テーマは「今まさに正しい中毒医療が求められている~紀の国からの発信~」,大会長は日本赤十字社和歌山医療センター高度救命救急センター長・千代孝夫氏。中毒領域は,救急医学の中では重要な分野であり,特に近年では危険ドラッグといった新たな薬物の登場で,中毒の起因物質は毎年増加・多様化している。危険ドラッグについては,2014年6月に東京池袋で危険ドラッグ使用者による交通事故によって死傷者が出たことをきっかけに,社会的関心も高まったため,法規制や警察による摘発も厳格化された。それにより,救急搬送される危険ドラッグ使用者も減少傾向にあると言われるが,一方で常用化の進展や,製品流通の国際化といった新たな課題も浮き彫りになっている。総会では,シンポジウム「危険ドラッグ~その現況と対策~」が開催され,危険ドラッグ使用者を受け入れた救命救急センターの事例報告や,蔓延防止に向けた取り組みについて,関係者の間で活発に討議された。