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第16回日本病態栄養学会年次学術集会 大会テーマ「医学に基づいた栄養管理」
pp.618-622
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201302038
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第16回日本病態栄養学会年次学術集会が1月12~ 13日,京都市内の国立京都国際会館で開催された。大会テーマは「医学に基づいた栄養管理」,大会長は徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部代謝栄養学教授・中屋 豊氏。病態栄養学とは,種々の疾患の発症機序について,病態を考慮した栄養学的側面から究明し,疾病の治療や予防を図ることを目的とする学問領域。その守備範囲は,内分泌,消化器,循環器,腎臓など臨床各科にまたがる幅広いもので,欧米では既に半世紀前から体系化されてきた。近年,ASPEN(米国静脈経腸栄養学会)では,「Nutrition support(栄養支援)」という用語ではなく「Medical nutrition therapy(医学的栄養療法)」という言葉が用いられるようになってきており,従来の経験則による栄養管理を,医学の理論やエビデンスに基づいたものにしようとする流れが顕著になってきている。わが国でも,NST(栄養サポートチーム)への取り組みがチーム医療の広がりの中で一般的になってきたが,まだ研究面や理論的根拠の確立は立ち後れている感がある。大会では,「三学会合同講演(糖尿病・腎臓・病態栄養):糖尿病腎症のコンセンサス」が開催され,糖尿病の合併症として問題となる糖尿病腎症の栄養学的管理について,特に糖尿病,腎臓病の専門家からの報告が注目された。