特集 最新の心房細動薬物治療
5.もうワルファリンは過去の薬か?
山下武志
1
1公益財団法人 心臓血管研究所・所長
pp.911-916
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201503911
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複数のNOAC(non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)が登場し,その役目を終えたかのように見えるワルファリンだが,実際には今後も未来永劫存在し続ける理由と,それが適した病態がある。大規模臨床試験における「ワルファリン群」の曖昧さ,そしてNOACが使いにくい病態を理解すれば,ワルファリンはこの先も存在し続けることを確信できるだろう。NOACとワルファリンは,ともに強み・弱みの異なる薬物であり,両者は相対峙するものではなく,補完関係にある。このような中,憂うべきは,このようなワルファリンの上手い使い手が将来減少してしまうのではないかという不安である。