特集 がん薬物療法による有害反応への対応 ~こんな時どうしたらよいの?~
口内炎
蛭田 真未
1
1昭和大学病院看護部/がん化学療法看護認定看護師
pp.152-155
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_152
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事例
フルオロウラシルを投与後7日目ごろから口腔内の痛みと発赤が出現し,10日目には2 mm大の潰瘍ができていました.
この事例のアセスメントと対応
この事例をどうアセスメントする?
フルオロウラシルは殺細胞性薬剤であり,代謝拮抗薬の中のフッ化ピリミジン系薬剤に分類され口腔粘膜炎の発症頻度が高い薬剤である.この事例では,フルオロウラシルによる口腔粘膜細胞への直接障害により7日目ごろから痛みや発赤といった口内炎が生じている.また,10日目は骨髄抑制時期であり免疫機能低下から易感染状態となり,7日目に生じた局所感染から潰瘍が出現したと考えられる.
この事例にどう対応する?
まず,実際に患者がどのように含嗽や歯磨き(ブラッシング)などを行っているかセルフケア状態を確認する.また,潰瘍が生じているため,疼痛緩和が必要となる.潰瘍部にステロイド外用薬(デキサルチン®口腔用軟膏など)を使用し治療するため,実際に患者と一緒に軟膏などを使用し,使い方を説明する.次に,含嗽や歯磨きの方法やタイミングなど不足点の再指導を行う.口腔内に疼痛がある場合,キシロカイン®ハチアズレ®含嗽液を使用し1日3~4回含嗽を実施する.口腔内の状態やセルフケア状況を連日観察し,口内炎の程度を評価する.
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