特集2 がん薬物療法の最前線 ~抗体医薬品を中心に~
5.抗CD20抗体による B細胞リンパ腫治療
石澤賢一
1
1山形大学医学部血液・細胞治療内科学講座・教授
pp.111-116
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501111
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抗CD20抗体薬の中で最も開発が進んでいるのはリツキシマブである。進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫では,標準治療である無治療経過観察に対し,リツキシマブ単剤早期介入の臨床的な有用性を示唆する結果が得られた。また進行期高腫瘍量濾胞性リンパ腫では,リツキシマブ併用化学療法の有用性が証明され,特にR-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)療法が治療効果と有害事象のバランスが良好であることが示された。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では,R-CHOP療法の有用性が10年の追跡でも証明された。
新規抗CD20抗体薬オファツムマブ,オビヌツズマブは,B細胞性リンパ腫に対する比較試験が実施されている。
イットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタンは,抗CD20抗体に放射性同位元素を結合させたもので,初回化学療法後の地固め療法としての有用性が示されたが,リツキシマブ臨床導入後の位置付けが検討課題である。