Japanese
English
原著
B細胞由来悪性リンパ腫の1例
A Case of B-cell derived Malignant Lymphoma
内山 安弘
1
,
服部 瑛
1
,
前田 秀文
1
,
石川 英一
1
Yasuhiro UCHIYAMA
1
,
Akira HATTORI
1
,
Hidefumi MAEDA
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, GUNMA University School of Medicine
pp.991-996
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202319
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86歳,男子の右側胸部に皮膚腫瘤を認め,のちに胸水貯留を来たした悪性リンパ腫の1例を報告した.組織学的にいわゆるmixed cell typeの像を示した.皮膚組織より浮遊させた細胞および胸水浸潤細胞についての膜表面形質の検索では,EACロゼット形成および表面免疫グロブリン(IgM)陽性細胞が過半(52%ないし55%)を占め,それより少数のEロゼット形成細胞を認めた.この所見は凍結切片で抗ヒトT-cell抗体を用いた免疫組織学的検査でも確認された.光顕および電顕的に,EACロゼット形成細胞は大型,異型の核を有していたのに対し,Eロゼット形成細胞は小型で異型性を欠いていた.以上の所見より,本症例はB-cell由来の腫瘍細胞に,Tリンパ球の反応性増加が加わった悪性リンパ腫と考えた.
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