特集1 医師主導臨床試験への提言 ~今,何が求められているのか~
5.医師主導の臨床試験は世界でもチャレンジ
後藤信哉
1
1東海大学医学部内科学系循環器内科学・教授/同大学院代謝疾患研究センター・センター長/オックスフォード 大学客員教授/理化学研究所光量子工学エクストリームフォトニクス研究グループ
pp.69-74
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501069
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
戦後日本は,米国を教師として国際社会に復帰した。日本人の深層心理には,「自分たちの知らないことでも欧米人は正解を持っている」という誤解がある。筆者は数多くの臨床試験を欧米人と行ってきた。ハーバード大学のTIMI (Thrombolysis In Myocardial Infarction)group,デューク大学のDCRI(Duke Clinical Reseach Institute),オックスフォード大学のCTSU(Clinical Trial Service Unit)など,欧米の一流施設との共同研究で学んだことは,我々よりも実績のある欧米の大学にとっても,「臨床試験はチャレンジである」という事実である。「日本の臨床試験」が難しいのではなく,「臨床試験」は世界のどこであっても難しいのである。問題を抱えるのは日本だけではない。「臨床試験」という研究の方法は,世界のどこでも難しい。問題の本質の理解を目指そう!