特集 糖尿病の最新治療と総合戦略~薬物療法を中心に~
4.SGLT2阻害薬
関根理
1
,
前川聡
2
1滋賀医科大学内科学講座糖尿病内分泌・腎臓内科
2滋賀医科大学内科学講座糖尿病内分泌・腎臓内科 教授
pp.1657-1663
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201707083
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糖尿病状態では,近位尿細管でのSGLT2(sodium-glucose co-transporter 2)発現が亢進しており,グルコースの再吸収が亢進することから,高血糖を増強させている。SGLT2阻害薬は,近位尿細管でのSGLT2の働きを抑えることによりグルコースを尿糖として排泄させるという,従来の経口糖尿病治療薬とは異なった血糖降下作用をもたらす。SGLT2阻害薬は血糖のみならず,体重や血圧などの代謝面や循環動態面への改善効果も見られ,心血管や腎合併症への抑制効果も期待されている反面,さまざまな副作用なども懸念されている。 本稿ではSGLT2阻害薬における,これまでの糖尿病治療薬とは異なったユニークな作用などについて,最近発表された大規模臨床試験の結果や,診療上で考慮すべき点なども含めて概説する。