特集 特集 miRNAの実力:診断から治療まで
5.関節リウマチに特異的な関節液・血漿中miRNA
吉富啓之
1
,
村田浩一
2
,
布留守敏
5
,
伊藤宣
3
,
松田秀一
4
1京都大学大学院医学研究科次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点・特定准教授
2京都大学大学院医学研究科次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点・感覚運動系外科学講座整形外科学
3京都大学大学院医学研究科次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点・感覚運動系外科学講座整形外科学准教授
4京都大学大学院医学研究科次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点・感覚運動系外科学講座整形外科学教授
5京都大学大学院医学研究科次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点リウマチ性疾患制御学講座
pp.2840-2844
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201412086
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関節リウマチの診断には,リウマチ因子や抗CCP抗体(anti-cyclic citrullinated peptide antibody)などの自己抗体が重要だが,陰性症例では診断が遅れるなどの問題点もあり,新機軸のバイオマーカーが求められている。我々は血漿中マイクロRNA(miRNA)の網羅的な解析を行い,miR-24とmiR-125a-5pが関節リウマチ特異的miRNAであることを見出した。これらは抗CCP抗体陰性患者と陽性患者で同様に,関節リウマチを判定することが可能であった。また患者血漿で減少する傾向にあるmiR-451は,p38 MAPKを介した好中球遊走を制御し病態に関与していた。このように疾患特異的な血漿中miRNAを解析することで,バイオマーカーのみならず新たな治療へとつながることが期待される。