特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
6.皮内・皮下注射および植込み型薬液注入システムを利用した製剤設計
井實孝則
1
,
大谷内哲也
2
,
長尾重義
3
1テルモ株式会社研究開発本部・企画管理部
2テルモ株式会社ホスピタルカンパニー・DM・ヘルスケア
3テルモ・クリニカルサプライ株式会社商品開発部
pp.2179-2183
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092179
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近年の高齢化の進展により,在宅医療のニーズが増加かつ多様化している。在宅での薬液注入方法として,自己注射によるインスリン製剤や抗体医薬の投与,植込み型薬液注入システムを用いた抗がん剤投与や中心静脈栄養が普及しつつある。従来の在宅医療の現場では,経口,貼付,塗布,点眼,点鼻,吸入,直腸投与,注腸など,無侵襲な服用法が定着し,適切かつ有効な製剤設計がなされてきたが,それだけでは種々の製剤に対応できないことから,注射や植込み型薬液注入が増大している。そこで本稿では,注射針や植込みポートといった医療器具の視点から,製剤と皮内・皮下注射および植込み型薬液注入システムを利用した医療機器(デバイス)との組み合わせ(Drug & Device;D&D)について述べる。