特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
8.リポソームなど皮膚適用ベシクルの最新動向と将来展望
徳留嘉寛
1
1城西大学薬学部皮膚生理学研究室・准教授
pp.2191-2195
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092191
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皮膚は,薬物の投与経路として比較的古くから利用されてきた。化合物の経皮適用を考えた場合,皮膚の最外層に存在する角層により必要十分量の化合物を体内に送達することは困難であるので,多くの研究者により経皮吸収促進方法が検討されてきた。その一つとして,リポソームを用いた方法がある。このリポソームを用いた方法は,経皮吸収促進だけではなく,抑制方法としての報告もある。リポソームはリン脂質からなる閉鎖小胞である。
しかし近年,リン脂質からなるリポソームでだけではなく,非イオン性界面活性剤やエタノールなどをリポソーム膜に配合し,弾力性のあるリポソームを形成させ,これらを経皮適用することで有効性を期待するような検討がなされている。本稿では,これらの紹介とともに最新の状況,将来展望を概説する。