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I.はじめに
耳管内に薬液を噴霧する方法には,高原式二重管カテーテルによるものと普通の耳管カテーテルを用いて通気中のゴム管の先端から注射器で薬液を注入する方法があり,前者は型がやや大きいため鼻腔の狭い者や小児には挿入困難のことが多く,使いよいように変形しようとするとヒビが入ることがある。また噴霧状態は均一でよいが,操作がやや難かしく,噴霧圧力を加減することが困難である等のため,多くの場合後者が用いられているようである。しかし後者の欠点は噴霧の状態がいたって悪く,ほとんど水滴のまま飛び出すといった具合で,治療どころか患者に苦痛を与えかねまじく,その実際の効果については,疑問に思っていた。そこで筆者は,せめて均一な噴霧状態を得たいと思って色々試みたところ,本報告の表題に示すように,1新法を得たので,実際に使用してみたが,ほぼ理想的噴霧状態に近いものと確信したので報告し,症例を示して考察した。
For teratment of intractable cases of auditory tube catarrh or catarrhal otitis media, a new method of spraying of a small amount of antibiotic solution, under a mild pressure into the auditory tube through the nasopharyngeal orifice, is reported. The results were satisfactory, and this method can be used for the auditory tube inflation as the less irritable way of treatment.
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