特集 睡眠・眠りの基礎と臨床
8.レストレスレッグス症候群の病態と治療
西田慎吾
1
,
井上雄一
2
1医療法人社団絹和会 睡眠総合ケアクリニック代々木/公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター/東京医科大学睡眠学講座
2医療法人社団絹和会 睡眠総合ケアクリニック代々木・理事長/公益財団法人神経研究所附属睡眠学センター・センター長/東京医科大学睡眠学講座・教授
pp.1593-1602
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201406107
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レストレスレッグス症候群(RLS)診療では,RLSと類似した臨床症状が出現する疾患(RLS mimics)の可能性に留意し,鑑別診断を慎重に行うことが重要である。RLSと確定診断した場合,特発性あるいは2次性のRLSであるかどうか病態の鑑別を行い,2次性の場合には基本的に原疾患の治療を優先し,特発性の場合には症状に応じて非薬物療法・薬物療法を組み合わせて治療を実施する。RLSの薬物療法では,特に長期間のドーパミン系薬剤使用下で出現するaugmentationの発現に気をつけたい。本邦ではRLSに保険適用のある薬剤として,プラミペキソールに続いて2012年にガバペンチンエナカルビル,2013年にロチゴチンが使用可能となった。これらの薬剤の特徴を十分に活かして治療を効率化することが,現時点での最重要課題と考えてよいだろう。