特集 がん領域における注意すべき医薬品副作用のメカニズムと対応
8.オピオイド鎮痛薬の副作用と対策
加賀谷肇
1
1明治薬科大学臨床薬剤学教室・教授
pp.1203-1210
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404121
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オピオイド鎮痛薬は緩和ケアにおける主役を担っているが,熟知しておかなければならない副作用がある。患者のQOL(quality of life)を維持・向上する上で副作用の軽減は薬物治療の最優先課題で,症状管理する上では悪心・嘔吐,便秘はオピオイド投与開始からコントロールすべき副作用である。増量や過量投与で出現する副作用としては,眠気,せん妄,幻覚・幻視,ミオクローヌス,呼吸抑制などがある。投与量に関わらず出現する副作用としては,瘙痒感,閉尿,口渇があり,さらに投与経路によっても副作用の発現の仕方が異なるため,患者の状態に応じた投与経路の変更も必要である。
がん疼痛治療において重要なことは,〈1〉オピオイドを使用した適切な鎮痛法の実施,〈2〉オピオイドによる副作用への対策,〈3〉副作用対策に用いる薬物による副作用の回避,などである。