特集 パーソナルゲノム時代における倫理的課題
4.研究倫理コンサルテーションとは何か? ~ GENCAT研究の経験から~
武藤香織
1
,
洪賢秀
2
1東京大学医科学研究所 公共政策研究分野教授
2東京大学医科学研究所 公共政策研究分野
pp.951-954
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201403071
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研究倫理コンサルテーションは,臨床倫理コンサルテーションに由来し,米国において早くより導入されていたが,その定義や体制の標準化は進んでいるとは言えない。日本でも研究倫理コンサルテーションの導入が進んでいるが,米国と異なるのは,日本では倫理審査委員会への対応を業務に含む点と,多施設を対象とした研究倫理コンサルテーションを事業化している点である。
本稿では,カルバマゼピンの遺伝子型検査に関する臨床研究で実施した事例を紹介した。「知らないでいる権利」の再考を含め,パーソナルゲノム研究では新規の倫理的課題に直面する可能性があり,研究の立案段階からの関与が重要である。