特集 パーソナルゲノム時代における倫理的課題
3.ヒト試料およびヒト遺伝情報の大規模利用に伴う倫理的・法的諸問題
辰井聡子
1
1立教大学大学院法務研究科・教授
pp.945-948
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201403065
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現在,パーソナルゲノムの取り扱いに特化した指針は確立されていないが,〈1〉 提供者の納得,〈2〉 提供者の権利・利益(特にプライバシー)の保護,〈3〉 研究の科学的・倫理性の維持――の3点が基本であることは変わらない。そして不正利用を重罰をもって規制する法律は既に存在しており,「法整備」を待つ状況ではない。革新的な研究の実施に必要なのは,「審査」より「支援」であり,倫理審査委員会は「研究支援委員会」として,新たな研究の推進に寄与するべきである。