特集1 抗凝固薬療法の展望と課題
9.トロンビン阻害薬とXa因子阻害薬の展望 ~血栓止血学の視点から~
坂田洋一
1
1自治医科大学・名誉教授/客員教授
pp.723-728
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201402723
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ワルファリンは凝固因子量を減らして,Xa因子阻害薬は活性化X(Xa)活性を即時阻害してトロンビン生成量を減らす。トロンビン阻害薬は血小板凝集やフィブリン生成に関与するトロンビン活性を直接阻害するフットブレーキ的薬剤である。ワルファリンには治療域を決める検査があるが,他の薬剤や食べ物に活性が影響されるため,頻回検査が必要である。新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant:NOAC)は他の薬剤などの影響を受けにくいが,治療域を決める検査が確立していない。ワルファリンには出血時にレスキューする薬剤があるが,新規抗凝固薬にはまだ存在しない。抗凝固療法の主役は入れ替わるかについて,それぞれの経口抗凝固薬の効能と問題点を止血メカニズムの理解を通して検討した。