特集1 抗凝固薬療法の展望と課題
4.心房細動患者における抗血栓療法のガイドライン
山下武志
1
1公益財団法人 心臓血管研究所・所長/付属病院・院長
pp.691-695
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201402691
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新規抗凝固薬が使用可能となり,海外では続々と心房細動患者に対する抗血栓療法に関するガイドラインが書き換わっている。ガイドラインでは,主に心房細動患者のリスク同定,抗凝固療法使用時のリスク同定がより簡便化され,患者個別にかつ自動的にリスク把握を行うと同時に,新規抗凝固薬の出現とともに抗凝固療法開始の閾値を下げようというトレンドが観察される。一方で,各新規抗凝固薬の選定に関しては,国により異なる状況となっている。文化や医療環境が異なる以上,同じ科学的事実を前にしても思考方法が異なるのは当然である。そのような中,2014年に日本循環器学会ガイドラインが約5年ぶりに改訂される。